第二の『上毛かるた』となるか!?群馬で今話題の『上野三碑かるた』を買ってみた。

ポテンシャル高いよ多胡の古碑
『昔を語る多胡の古碑』・・・
いわずと知れた上毛かるたの読み札だけど、そもそも多胡の古碑って何?
いったい何処にあるの?
というわけで見て来ました。多胡の古碑。

所在地は高崎市吉井町池。なんでも日本三古碑の一つで、今から、1300余年前(和銅4年)に多胡郡を置かれた時の、建郡の経緯と中央政府の高官の名を刻んだものなんだって。これ本物だよ、レプリカじゃないよ。1300年前だよ!
(重要なことなので2回言いました。しかも太字)。

『上野三碑かるた』を紹介するよ
同じ敷地内公園にある多胡碑記念館では4月に発売されたばかりの上野三碑かるたの原画・原書展が開催されていて、高崎市美術館の塚越潤館長が描いた絵札の原画とスケッチ、高崎経済大学付属高等学校書道部が多胡碑の字体を模倣して清書した読み札が
展示されていたよ。
緊急事態宣言は解除されたものの何となくの自粛ムードの中、ほぼ貸し切り状態で原画と原書をじっくりと鑑賞できて何だか得した気分。もちろんかるたもゲット。
あ、読み方は『こうずけさんぴかるた』です。念のため。
この付近には他にも、山上碑・金井沢碑の二古碑があって、平成29年にはユネスコの「世界の記憶」に登録されたそう。
こんな地味な(失礼!)古碑が地域の努力でずっと守られてきたこと、そこに私らが使っている漢字がしっかり刻まれていること、ビックリを通り越してうっすら感動を覚えたね。
だってメソポタミアもエジプトも古代文字があったけど断絶しちゃったでしょ。漢字だけよ、中国から伝承されて今も使われているのって(にわか知識、披露いたしました)。
『上野三碑かるた』『上毛かるた』徹底比較!
手っ取り早く200万県民の誇り上毛かるたと比べてみるとします。


御覧の通りサイズは寸分たがわずまったく同じ。
上野三碑かるたのスタイリッシュな外箱の装丁は佐藤正幸氏。


上毛かるたの読み札が親しみやすい行書体なのに対し、上野三碑かるたはなんとも特徴的な古碑模倣書体。素人なんで先に謝っておきますが、これってギャル文字(すみません。死語)っていうくらい近代的。絵札もパステル~な水彩画の上毛かるたに比べて上野三碑かるたはとっても色鮮やか。
な・ん・で・す・け・ど、テイストは似ていると思いません?


お約束の人物札は高橋道斎というよく知らない人なんだけど、この福耳のお方、下仁田生まれの儒学者で多胡碑発見の父と呼ばれる重要人物。今は無名だけど「(ろ)労農 船津傳次平」が上毛かるたで有名になって大河ドラマにキャスティングされたみたく、上野三碑かるたでブレイクするかも。

もうひとりは、このお方。どーん。
初代県令、楫取素彦様✨ 超有名人ですけど、この絵で分かった?
「もとひこ」のイメージ未だに大沢たかおなんで。
臨江閣や富岡製紙場のほかに『上野三碑』保護も「もとひこ」の功績。
せっかくだから、この機会に情報上書きしておくとする。
←「三碑保護、力注いだ 県令楫取」の絵札
競技性の高さを予感する絵札
上毛かるたが群馬県全体の名所、人物、地理、風物が幅広く読まれているのに対し上野三碑かるたは三碑周辺の文化財や産業を取り上げているため、どうしても似たような被り札があるのは致し方ないこと。
だけどこれがお手付き必須の要注意札で、おのずと競技性は高まると予想。
例えばこれ

(に)「日本三古碑 那須・多胡・ 多賀城」の絵札
(え)「永遠に 地域で守る 上野三碑」の絵札
ちなみに上野三碑かるたの(え)札は上毛かるたの「つる舞う形の群馬県」(つ)札にあたる最重要札。同点の場合この札を持つ側の勝利となるから激しい 取り合いになること必須。お手付き厳禁。
他にも、これとか


それぞれ

(る)「瑠璃色の空に 山上多重塔」
(け)「建郡の 誇りを刻む多胡の古碑」
(ふ)「仏教の 広がり刻む 金井沢」
(は)「母父へ 想いを刻む 山上碑」
(せ)「蝉しぐれ 多湖碑の模刻 仁叟寺」
(と)「渡来人 心支えた 辛科神社」
(す)「健やかに 育てと祈る 山名八幡」の絵札
大人から見ると難易度高めの被り札だけど、頭の柔らかい子供たちは必殺見分け術を考案してくれてるよね多分。出来たばかりの上野三碑かるたを囲んでワイワイ遊んでいる姿を思うと、なんか、このかるた良いよ。郷土かるた王国のグンマー県民は血が騒ぐんさね。つい。上毛かるたが戦後の復興と共に子供たちに明るい希望と楽しみを与えて、郷土愛を育んでくれたように平成29年10月31日にユネスコ「世界の記憶」に登録された上野三碑を、この上野三碑かるたを通して楽しみながら後世の人たちにしっかり伝えてほしいな。なんたって1300年前の本物!なんだから(重要なことなので何度も・・・)。
それから、地域の皆様へ。上毛かるた同様の県競技大会開催、今から期待してます!
上野三碑かるた購入は:上毛新聞取り扱い販売店または県内書店へ
問い合わせは:上野三碑普及推進会議(事務局:高崎市教育委員会文化財保護課) 電話 027-321-1292
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